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小沢氏が雪辱19選(衆院岩手3区)
【岩手3区開票結果】
当選 115,364 小沢 一郎(82) 立民前
84,347 藤原 崇(41) 自民前
第50回衆院選は27日に投票が行われ、即日開票の結果、岩手3区は前回選で初の敗北を喫して比例復活した立憲民主党の前職小沢一郎氏(82)が雪辱し、19選を果たした。前回選で小沢氏から初勝利を挙げた自民党の前職藤原崇氏(41)は5選を目指したが、党派閥裏金事件などで逆風を受け、3万1017票差で敗れた。政治資金収支報告書への不記載があったことで党本部から比例重複が認められず、議席を失った。
自民・藤原氏 議席失う
自民、公明両党と、立民など野党勢力のどちらに政権を託すのかが焦点の政権選択選挙。計465議席(小選挙区289、比例代表176)に1344人が立候補した。「政治とカネ」の問題を巡る政治改革や経済、人口減少対策などを主な争点に、与野党の候補者が12日間の舌戦を繰り広げた。開票の結果、28日午前0時半現在、自民、公明両党が過半数を割り込む情勢だ。
本県は、3選挙区に7氏が立候補。このうち、胆江2市町を含む岩手3区は、2021(令和3)年の前回選と同じ顔ぶれの一騎打ちで、5度目の対決となった。
現役最多の19選を目指した小沢氏は、実質的な野党共闘態勢を固めて選挙戦を展開。連合岩手の推薦も受けた。裏金事件で揺らぐ自民を批判しつつ政権交代を訴え、序盤から攻勢を強めた。公示後は仲間の応援で全国を巡る一方、逆風下の藤原陣営を押し切ろうと、計3回・5日間にわたる異例の選挙区入り。街頭演説や個人演説会を精力的にこなし、高齢化が進む後援会組織の動きを補った。参院岩手選挙区補欠選挙で当選を確実にした立民・木戸口英司氏(61)との連動効果を発揮。達増拓也知事も小沢氏と並んでマイクを握り、「政治の師」を手厚く支援した。
3回連続の比例復活を経て、前回選で小沢氏の牙城を崩した藤原氏は「背水の陣」で生き残りを期した。若さを前面に、選挙区で隈なく街頭演説する「どぶ板」選挙を徹底したが、自身や広瀬めぐみ元参院議員の不祥事などが逆風となり、前回選の勢いを見せずに失速した。
開票の結果、藤原氏の8万4347票に対し、小沢氏が11万5364票を獲得。前回選で9372票差で競り負けた小沢氏が巻き返した。前回選で小沢氏の得票が上回ったのは奥州市のみだったが、今回は藤原氏の地元・西和賀町以外の6市町に拡大。小沢氏が野党支持層を固め、自民の不祥事に反発した無党派層も取り込み、藤原氏を振り切った。
早々「当確」に沸く(小沢氏陣営)
小沢一郎氏陣営は水沢東町のホテルに開票結果セレモニー会場を開設した。小沢氏本人は不在。午後8時の投票終了とほぼ同時に、当確情報がテレビ画面に表示されると、選対幹部や支持者ら約40人が大きな拍手で前回選の屈辱を晴らす勝利を祝った。
高橋浩・総括責任者は「かつてないほど多く選挙区入りした。皆さまの熱い声援と支援で当選することができた。皆さま方のパワーを国政に反映してくれることを願いたい」と期待。佐々木順一・選対本部長は「自民政権の不祥事連続を受け、国民の皆さんが怒りの一票を入れた選挙だった。野党勢力が過半数を獲得すれば、政界は激動すると思う。小沢先生の経験を踏まえた力量と手腕を駆使し、立憲民主党を中心とする野党政権の枠組みづくり、首班候補づくりで国民の期待に応えてほしい」と述べた。
藤原崇さん「自分の力不足」
開票結果を待つ藤原崇さん(41)の事務所=北上市鬼柳町=には、支持者ら約50人が集まった。午後8時と同時に相手候補の当確が伝えられると静まり返り、沈痛と落胆の雰囲気が広がった。敗戦を受け、海鋒守総括責任者と平野達男選対本部長が支持者に向けてあいさつした。
ほどなくして事務所に入った藤原さんは「多くの皆さんに力を頂いて選挙を戦わせてもらったが、自分の力不足によって結果が出ず申し訳ない思い」と頭を下げ、敗因について「3年間の活動を有権者の皆さんに評価していただけなかったことに尽きる」と硬い表情で言葉を絞り出した。
今後の政治活動については「後援会と相談した上で、岩手と国のために引き続き取り組んでいきたい」と述べた。
支持者らと握手を交わし、12日間の選挙戦をねぎらいながら事務所を後にした。
参院補選は木戸口氏が当確
参院岩手選挙区補欠選挙は27日に投開票が行われ、実質的な野党共闘態勢で臨んだ立憲民主党元職の木戸口英司氏(61)が新人4氏を退けて当選を確実にした。2年前の参院選で失った議席を取り戻した。
木戸口氏は今回の選挙について、「リベンジではなく新たなチャレンジ」と提唱。政治の信頼回復へ▽裏金問題や不祥事の徹底解明▽公職選挙法と政治資金規正法等の見直し、再改正――などを公約に掲げた。地域経済活性化や人口減少対策、東日本大震災からの復興推進やILC(国際リニアコライダー)誘致実現など、地域の実情に合った街頭演説も行い、広く支持を固めた。
選挙期間中は立民の横沢高徳参院議員や達増拓也知事と行動を共にする場面も多く見られた。衆院岩手3区に立候補した小沢一郎氏の陣営とも連動し、政権交代へ一丸となって選挙戦を戦い抜いた。
無所属の田中亜弓氏(53)、参政党の吉田利也氏(48)、政治団体「世問(よと)う国民党」の小田々豊氏(69)、同・幸福実現党の松島弘典氏(67)の新人4氏はそれぞれ精力的に活動したが、支持の拡大には至らなかった。