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子どもらへ笑顔 届け44年、「おはなしキャラバンすくすく」出前公演に終止符

子どもらへ笑顔 届け44年、「おはなしキャラバンすくすく」出前公演に終止符
最後の出前公演を終え、笑顔で園児たちと触れ合うメンバー

 奥州市江刺地域を中心に活動するボランティアグループ「おはなしキャラバンすくすく」(及川典子代表、メンバー10人)は、幼保施設に出向いての公演に終止符を打った。参加できるメンバーが減り、継続が難しくなった。24日、江刺の田原保育所(佐々木みゆき所長、園児34人)で最後の公演を行い、及川代表(73)は「皆さんの支えと子どもたちの笑顔を励みに、44年間続けてこられた」と感謝。今後の活動は未定だが、公共施設で人形劇などを年数回披露できる機会があればと望む。
 同グループは、地域のボランティア養成講座の受講をきっかけに、旧岩谷堂幼稚園児の母親たちが1980(昭和55)年に結成した。同園で初演して以降、地域内外の幼保施設で人形劇や紙芝居、影絵などの上演を重ねてきた。
 メンバーそれぞれの特技を生かしながら、舞台道具を手作りし音響を準備。これまで上演した演目は数えきれないほど。研修で技術を磨き、2006(平成18)年に厚生労働大臣表彰、07年度には市勢功労を受けた。
 過去にも人員不足を乗り越えてきたが、今年で出前公演を終了することを決め、6月から江刺の9幼保施設に出向いた。最終の同保育所では、祖父母参観で集まった保護者と園児が人形劇や影絵などを観賞。メンバーが観客を巻き込みながら話を進め、終演後は子どもらと触れ合った。八木優音ちゃん(5)は「(人形の動きが)面白くて楽しかった」と喜んだ。
 かつて公演を見た子が大人になり加入するなど、地域に根付いている同グループ。結成当初から支える及川代表は「子どもたちの笑顔や『また来てね』という言葉が原動力になっていた。多くの人と関わることができ、感謝しかない」と振り返り、地域の子の育ちを支えていく活動の継続を仲間たちに託した。