参院岩手選挙区補欠選挙は10日、告示された。元職と新人の5氏が立候補届を提出し、選挙戦に突入。詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ元議員＝自民党離党＝の議員辞職に伴う補選となり、全国的な「政治とカネ」の問題による政治不信の高まりもあって、有権者の目は厳しい。15日公示、27日投開票の日程で行われる衆院の解散総選挙と合わせ、政治への信頼を回復するような舌戦が期待される。

政治の信頼回復期し舌戦

　今回選には、届け出順に参政党新人の吉田利也氏（48）、政治団体・世問（よと）う国民党新人の小田々豊氏（69）、同・幸福実現党新人の松島弘典氏（67）、立憲民主党元職の木戸口英司氏（61）、無所属新人の田中亜弓氏（53）の5人が立候補。自民党県連は、前回選で広瀬元議員を擁立した責任を取り、公認候補を擁立しなかった。自民県連が参院選に公認候補を立てないのは、2004（平成16）年の第20回参院選以来となる。
　届け出後、各候補は盛岡市内で第一声を行い、県内での遊説をスタートさせた。
　吉田候補は盛岡市南仙北の事務所で出陣式。支援者ら約30人が集まり、「勝つぞ」の声で拳を突き上げた。JR盛岡駅前で第一声。神谷宗幣党代表がマイクを握り「国の経済のやり方、運営方法を第一に変えなくてはならない」などと訴えた。
　小田々候補は盛岡地区合同庁舎での届け出後、その足で県庁前に移動して第一声を上げた。5候補の中で唯一岩手に地縁が無く、手探りの選挙戦となる見込み。今後はボランティアを募りながら、ポスター掲示や街頭演説などを精力的に行うという。
　松島候補は宗教法人「幸福の科学」盛岡中央支部に設けた選挙事務所で出陣式を行い、続けて同支部駐車場で第一声。釈量子党首も駆け付け、松島候補の人柄や功績、党の政策を主張した。支持者約30人から歓声や拍手が送られていた。
　木戸口候補は盛岡市の選挙事務所で出陣式に臨み、必勝を祈願。達増拓也知事らがマイクを握り激励した。その後、近くの繁華街で行った第一声では、立民の重鎮小沢一郎氏や横沢高徳参院議員らもあいさつ。ガンバローコールで気勢を上げ、遊説に向かった。
　田中候補は盛岡駅前で第一声。運営する動物保護施設の「卒業犬」も飼い主に連れられて応援に駆け付けた。廃校舎を活用した高齢者と子ども、保護犬猫の触れ合い拠点整備などを訴え、ガンバローコールを支持者と共に行い、遊説に出発した。

吉田　利也（よしだ・としや）候補　　「次の世代に日本残す」

　総理就任から衆議院解散までの期間の短さは、自分たちのことしか考えていない政治をしていると言える。それで果たして、国民の方を向いた政治が行われている状態と言えるのか。国民の皆さんには、われわれと他政党の訴えをしっかりと比べていただき、その違いを自身の目で、耳で確かめてほしい。多くの国民が、先日の総裁選を経て「裏切られた」という思いを抱えているはず。われわれは国民を第一に置いた政策を掲げている。次の世代に日本を、岩手をしっかり残していくために、力を貸してもらいたい。（盛岡駅前での第一声）
【選対本部】総括責任者：石川和義／出納責任者：遠藤育男／選対本部長：高橋元／選挙事務所：北上市川岸三丁目24の21（電話080-2812-6469）／https://www.sanseito.jp

小田々　豊（おだた・ゆたか）候補　　「貧困なく子・地方を中心」

　公約は「子ども中心社会」「地方中心社会」「貧困のない社会」の三つ。
　親の財産、身分、資産によって子の人生の選択肢が狭まる世界をなくしたい。そのため、子どもを育てるための費用は全て国が出す。
　東京一極集中をやめ、国の機能や大学、人、モノ、金を地方に移す。
　貧困の解消へ、時給はまず1500円、徐々に2500円まで上げる
　人類は助け合うことで生き延びてきた唯一の動物。ぜひ隣の恵まれない方たちのため、投票に行ってほしい。（盛岡市内丸の県庁前での第一声）
【選対本部】総括責任者：小田々豊／出納責任者：小田々豊／選対本部長：小田々豊／選挙事務所：不定（県内各地をトラックで移動、電話番号は非公開）

松島　弘典（まつしま・ひろのり）候補　　「夢や希望持てる政治を」

　日本には「大きな政府」「小さな政府」という概念がなく、私たちのように「小さな政府・安い税金」を掲げている党が一つもない。立憲民主党の小川淳也幹事長は消費税25%を公言し、野田佳彦代表は首相の時に「3党合意」で5%から10%に上げた人だ。若者にとって消費税は本当に酷なもの。彼らが政治に関心を示さなくなり、投票に行かなくなった。それにより年配者向けの手当が厚くなっている。本当にそれでいいのか。岩手から新しい日本をつくり、若者に夢や希望を持ってもらうための政治をやっていきたい。（盛岡市本宮の選挙事務所前で第一声）
【選対本部】総括責任者：三国佑貴／出納責任者：松島弘典／選対本部長：佐々木栄一／選挙事務所：盛岡市本宮三丁目11の1（電話090-2748-8296）、https://x.com/matsushima_hiro/

木戸口　英司（きどぐち　えいじ）候補　　「政治変えていく選挙に」

　私の力不足で２年前の参院選で議席を失ったが、政治を変えたいとの思いを持ち続けてきた。私にとっても岩手の良識ある有権者の皆さんにとっても「やり直し」の選挙。必ず勝ち取り、野党が皆で力を合わせて政治を変えていく選挙にしていきたい。命や平和を守るための政治改革を行うには、政権交代しかない。岩手を守り、日本を変える。衆院選より５日早く始まるこの参院岩手補選。ここから日本を立て直していきましょう。自民党の末路を日本の末路にしてはいけない。その戦いを、この岩手から起こしていきましょう。（盛岡市大通での第一声）
【選対本部】総括責任者：伊藤勢至／出納責任者：羽山るみ子／選対本部長：佐々木順一／選挙事務所：盛岡市中央通一丁目8の13中央ビル（電話019-613-6022）、https://www.kidoguchi-eiji.net

田中　亜弓（たなか・あゆみ）候補　　「岩手の良さ引き上げる」

　県民になり10年、犬や猫の保護活動に取り組んできた。知らない地に飛び込み、皆さんの温かさに触れた。恩返しをしたい。岩手の良いところを引き上げて、もっと元気にしたい。廃校舎を活用し、高齢者と子ども、保護犬猫の触れ合いの拠点としたい。それにより、高齢者が元気になり医療費削減、子どもたちは心豊かになる。福祉施設にもなり、地産地消の子ども食堂で農業者もパワーアップ。犬猫の殺処分ゼロにもつながる。何がしたいのか、誰が困っているのか。声をくみ上げ、どうできるかを考え、精いっぱい取り組みたい。（盛岡駅前での第一声）
【選対本部】総括責任者：花蜜幸伸／出納責任者：花蜜幸伸／選対本部長：花蜜幸伸／選挙事務所：滝沢市鵜飼臨安102（電話080-1064-0928）、https://www.tanakaayumi.net/