夢へ努力する大切さ伝える 来月公演「鼓童」の小川蓮菜さんが母校で出前授業(水沢)
夢へ努力する大切さ伝える 来月公演「鼓童」の小川蓮菜さんが母校で出前授業(水沢)
世界的な太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」のメンバー、小川蓮菜(はな)さん(23)=水沢出身=による出前授業「ようこそ先輩」が12日、母校の水沢小学校で行われた。小川さんが一日限りの「先生」となり、和太鼓演奏を披露しながら後輩たちと交流。「好きな事や夢中になれる事を仕事にできるのはすごく幸せ」と自身の歩みを振り返り、夢に向かって努力する大切さを伝えた。
6月14日に奥州市文化会館(Zホール)で開かれる鼓童の公演「ワン・アース・ツアー」に合わせ、市文化振興財団(鈴木美喜子理事長)が主催した。
鼓童は新潟・佐渡島を拠点に、メンバー40人が国内外で活躍。54の国と地域で計7500回以上公演しており、最近は大阪・関西万博の開会式にも出演して来場者を魅了した。
小川さんは水沢中から花巻東高校に進学。中学高校と陸上部に所属し、高校では学校初の女性応援団長も任された。中高の6年間に水沢寺子屋のリーダーも務めた。
太鼓を始めたのは小学3年生の時。友人に誘われ、奥州水沢颯人和太鼓乃会で腕を磨いた。高校2年時に鼓童の公演を花巻で鑑賞。感動のあまり泣き崩れ、「太鼓演奏を仕事にしたい」と決意した。20(令和2)年、鼓童の研修所へ入所。稽古と審査を経て、22年に準メンバー、24年に正メンバーに昇格した。
出前授業は6年生約100人を対象に体育館で実施。小川さんは鼓童のはんてんと鉢巻き姿でマイクを握り、1年の半分を過ごす稽古場での暮らしや国内外での公演の様子を説明した。厳しい規律の中で鍛えられた2年間の研修所生活についても紹介。「テレビもスマホも見られない」などと話すと、児童たちは驚きの声を上げた。
小川さんは「太鼓をたたいている時が一番幸せ」と強調。「鼓童に入ることを最初は親に反対されたが、本気で思いを伝えたら許してもらえた」と明かした。
桶胴太鼓を肩にかけた小川さんは、迫力ある演奏を即興で披露。児童たちは華麗なばちさばきに見入り、大きな拍手を送った。
児童たちは「夢中になれる事を見つけて頑張りたい」などと感想を発表。小川さんは「思いが伝わって良かった。またみんなとどこかでお会いできる日が楽しみ」と語りかけた。
和太鼓クラブに所属する生田舞子さん(11)は「仕事を楽しむことは大切だと思う。私も将来の夢に向かってしっかりと努力していきたい」と声を弾ませていた。
小川さんの凱旋(がいせん)公演となる6月14日の鼓童のステージは、午後2時に開演。全席指定で一般6500円、小中高校生3000円。Zホールやサンエー、前沢ふれあいセンター、胆沢文化創造センターなどで扱っている。