岩手・宮城内陸地震から18年
岩手・宮城内陸地震から18年
2008(平成20)年の岩手・宮城内陸地震から14日で18年。奥州市内では衣川で本県観測史上初となる最大震度6強を観測し、胆江地方では死者1人、重軽傷者32人に上るなど大きな被害が出た。今年に入ってからも国内外で大きな地震が相次ぐ中、防災意識の向上と日頃の備えの重要性が改めて問われている。
防災意識 地域で共有、世代超え訓練 備え確認(衣川)
地震発生日に合わせ、衣川地区振興会(高橋厚会長)は13日、地域ぐるみの防災訓練を行った。午前8時に地震が発生した想定で、地区内に約100人いる班長が集落内住民の安否を確認し、行政区長へ報告。行政区長11人は、小型無線で衣川地区センターに状況を伝達した。
その後、住民ら約40人が同センター前に集合。水沢消防署衣川分署の協力を受け、煙体験や消火器の操作訓練に取り組んだ。
屋内では自動体外式除細動器(AED)の使用手順を確認。訓練用人形を使って、周囲の安全確認や呼吸確認、胸骨圧迫など心肺蘇生の一連の流れを実践した。
同分署の救急救命士後藤歓喜さん(34)は「緊急時は一種のパニック状態になるため、いかに冷静に対応できるかが重要だ。講習を受けているかどうかで大きな差が出る。防災を自分事として捉え、備えることに意義がある」と話した。
家族で参加した衣川馬懸の成田陽斗君(10)は「胸骨圧迫をやってみたのは初めて。思ったより難しかった」と振り返った。父で石神集落の班長を務める孝行さん(47)は「実際に見て体験することが大切。経験をいざという時に生かしたい」と語った。
千葉正義衣川地区センター長は「行政区の班長は毎年入れ替わり、参加者の顔ぶれも変わる。多くの人に経験してもらうため、毎年続けることが大切。今回は初めて小学生も参加し、世代を超えた防災意識の共有につながった」と話した。
岩手・宮城内陸地震は2008年6月14日午前8時43分に発生した。震源は奥州市衣川に接する一関市西部で、地震の規模はマグニチュード7・2。衣川と宮城県栗原市で震度6強を観測した。
09年7月時点の消防庁のまとめでは、死者17人、行方不明者6人、重軽傷者426人。胆江地方では胆沢ダム建設工事現場の落石で男性作業員が死亡し、胆沢若柳では林道を走行中のバスが崖下に転落して8人が重軽傷を負った。衣川や胆沢を中心に、山崩れや道路陥没、建物損壊など被害が広がった。
住宅被害は、衣川で全焼1棟、胆沢で半壊2棟。一部損壊は468棟。倉庫など非住家被害は全壊10棟、半壊16棟、一部損壊200棟。衣川では最大1000戸が断水し、停電は最大1924戸に及んだ。
震災を契機に自主防災組織の立ち上げが相次ぎ、地域防災力の向上につながっている。