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勇姿で水沢へ「恩返し」、高橋和生選手(パリ五輪混合競歩)が抱負

勇姿で水沢へ「恩返し」、高橋和生選手(パリ五輪混合競歩)が抱負
高橋和生選手

 パリ五輪(26日開幕)の陸上男女混合競歩リレーに出場する、ADワークスグループの高橋和生(かずき)選手(27)=水沢中、花巻北高、早稲田大卒=は22日夜、胆江日日新聞社の電話取材に応じ「上位を狙える種目。水沢の皆さんの思いも背負い、地元に恩返しできるレースができたら」と抱負を語った。27日に出国し、競技は8月7日午前7時半(日本時間同午後2時半)、エッフェル塔などを望むパリ市街地で行われる。
 出国までの間、東京都北区のナショナルトレーニングセンターで練習を重ねる。「陸上競技場のトラックは屋根で覆われ日陰もあるが、やはり蒸し暑くて大変」と、猛暑に苦しみながらフォーム(歩型)の修正に励む。
 代表決定直後は実感に乏しかったが、開幕が近づき「さすがに緊張感や日本代表としての重みを感じるようになってきた」。手元に届いた選手団の公式ウエアを試着し、競技を始めてから11年の苦しさ、悔しさが報われたような気がしたという。「あとは結果を出すだけ」と気を引き締める。
 男女混合競歩リレーは今大会からの新競技。マラソンと同じ42・195kmを男女ペアが「男‐女‐男‐女」の順で約10kmずつリレーし、タイムを競う。「競歩自体、長くて単調なイメージもあるが、混合は展開がころころ変わり、順位の入れ替わりも激しくなるだろう。そこが面白い」と見どころをアピールする。
 競歩は歩型に対するルールが厳しく、沿道で審判員が目を光らせる。パリ五輪の混合リレーでは、歩型に対する警告(レッドカード)をチームで計3回受けると、ペナルティーゾーンで3分間の待機を命じられる。たとえ自分が無警告でレースを展開しても、仲間が2回警告を重ねてしまえば精神的余裕がなくなる。
 「3分ペナルティーになればメダルどころか、入賞すら厳しくなってくる」と高橋選手。慎重になり過ぎてペースが落ちてはならず、攻め過ぎて歩型が崩れてもいけない。
 さらに頭を使うのは、1本目を終えた後の待機時間の過ごし方だ。「いかにして適切な体力回復ができるかも重要。考えることが多く、個人競技とは違う難しさがある」と語る。
 元々は野球少年で、競歩を始めたのは花巻北高に入ってから。「水沢の同級生や昔からの友人からすれば、僕が競歩をやっているイメージはないだろうし、競技をしている姿を見てもらう機会もなかった。北上市出身ではあるが、水沢小学校に転校して以来、水沢で育った時間は長い。地域の皆さんの思いも背負い、恩返しできるレースをしたい。応援よろしくお願いします」と呼びかけた。