瞳輝かせアドバイス吸収 菊池雄星投手(米大リーグ・エンゼルス)が野球教室
瞳輝かせアドバイス吸収 菊池雄星投手(米大リーグ・エンゼルス)が野球教室
米大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの菊池雄星投手(34)=盛岡市出身、花巻東高出=による野球教室が14日、金ケ崎町の森山室内練習場で開かれた。胆江地方を中心に参加した60人の野球少年・少女を前にノックなどを行い、直接指導。子どもたちは、本県出身の大リーガーと間近に練習できる機会となり、瞳を輝かせながら菊地投手のアドバイスを吸収した。
菊池投手がプロデュースする複合型野球施設「King of the Hill(K・O・H)」=花巻市南新田=が主催。最新の測定機器を用いて、科学的根拠に基づく指導を実践する同施設の野球スクールを体験してもらう目的で開催した。
胆江地方からは、水沢リトルリーグ、前沢ジュニア野球スポ少、同町の太陽の子スポ少の3チームが参加。盛岡市や花巻市、北上市のチームのほか、個人で秋田県や茨城県などからも参加があった。
野球教室では菊池投手がバットを握り、「初めて」と語るノックを披露。捕球や送球の指導では、「基本通りに投げることも大切だが、メジャーでは取って素早く投げることも重視している。遊びでもいいので、素早く投げられるよう練習してみて」とアドバイスしていた。
菊池投手は教室終了後に報道陣の囲み取材に応じ、本県から菊池投手をはじめ大谷翔平選手や佐々木朗希投手とメジャーリーガーが輩出されている背景について「『たまたま』だと思うが、昔は『岩手だからできない』だったのが、『岩手だからできる』と野球少年のマインドが変わってきている。岩手出身の選手がメジャーやプロ野球、甲子園で活躍することで、僕らにもできるという思いが生まれたのが重要。その連鎖かなと思う」と語った。
大リーグ挑戦を経て、自身の価値観にも変化があったという。「型をしっかり教えるのはもっと先でもいい。ドミニカや中南米の18歳の子は『ただアウトにすればいいよ』という形でやっている。きれいに取ることではなくアウトにすることが大事。打者であれば打ち方よりもヒットにすること。型にはめるのはいつでもできると思う」と話した。
大谷選手が出場を表明した来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも意欲を示している菊池投手。今後渡米し、アメリカで調整を行うという。
太陽の子スポ少で永岡小5年の阿部光成君(11)は「テレビで見ていた菊池投手に会えて格好良かった。教わったことをしっかりと実践したい」と声を弾ませていた。