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「誘致」使わない(ILC巡り一関市長)
一関市の佐藤善仁市長は5日、東北ILC事業推進センター会合の席上、国際リニアコライダー(ILC)を巡る活動で「『誘致』という言葉を使わないようにしている」と述べた。北上山地が適地とされた経緯が、県内の一部首長に十分理解されていないことが背景にあるという。
佐藤市長は2021(令和3)年12月、同市の誘致団体などと「岩手県南・宮城県北ILC誘致推進大会」を開催。昨年2月には「ILC実現建設地域期成同盟会」の設立にも携わり、倉成淳奥州市長らと共に代表を務めている。
期成同盟会の構成団体を拡大するため、岩手県北や沿岸地域の首長らと会談。その際「岩手県の(南北)全体に北上山地がある。もう少し北のほうに来てくれれば、われわれも一緒に取り組める」といった趣旨の話があったという。
佐藤市長は「(私たちが)『一関市の山がいいよ』と言ってILCの活動を始めたわけではなく、たまたま岩盤など自然的な好条件が重なったため。そういったことがまだ理解されていないことに気付き、以後『誘致』という言葉を使わないようにしている。誘致する側だけに得があり、それ以外はないという話になってしまうと、それは違うなと思う」と述べた。