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ようこそ新スパコン、12月運用開始へ搬入(国立天文台水沢)

ようこそ新スパコン、12月運用開始へ搬入(国立天文台水沢)
慎重に搬入される新しいスパコンの本体。建屋前の説明板も運用開始後、内容を更新するという

 国立天文台天文シミュレーションプロジェクト(小久保英一郎プロジェクト長)は21日、水沢星ガ丘町の同天文台水沢キャンパス敷地内に新しいスーパーコンピューター(スパコン)を搬入した。周辺機器の接続やシステム設定などを経て、12月2日から運用を開始する。
 今回搬入された新機種には、データ転送速度が「アテルイⅡ」より12.5倍速い「システムM」と、メモリ量が1.3倍の「システムP」という2種類のシステムを搭載。今年8月末まで運用していたアテルイⅡなどの従来機は、1種類のシステムしか搭載していなかった。同プロジェクト広報担当の福士比奈子さん(43)=盛岡市出身=は「研究目的によって計算方法が違い、得意なシステム要件も異なる。自分たちの研究に最適なシステムを選択できるようになるため、研究者の要望により幅広く応えられる」と説明する。
 搬入作業は午前9時ごろからスタートした。大型トラックで運ばれたスパコン本体は5体のユニットに分かれており、1体当たりの大きさは高さ2.3m、幅0.8m、奥行き1.5m。作業員たちはフォークリフトなどを使って慎重に建屋の前へ。建屋の扉の前で梱包がほどかれると、黒いフレームの中にパソコン本体と数十本単位で束ねられた配線が姿を現した。
 建屋の中では5体を並べ、幅約4mの本体を構成する。本体の裏側には化粧板が取り付けられる。新機種の愛称も含め、化粧板のデザインなどは12月2日の運用開始日に報道公開する予定だ。福士さんは「引き続き水沢の地にスパコンを設置できてうれしい。一般公開の際には、ぜひ新しいスパコン会いに来てほしい」と話している。