TOPIC

ブラックホールの活動期捉える

将来加速器技術開発に7億円(来年度予算で概算要求で文科省)

 文部科学省は31日までに、2024(令和6)年度予算の概算要求を公表した。将来加速器の性能向上など、重要要素技術開発費に本年度と同額の7億円が要求されている。
 文科省素粒子・原子核研究推進室によると、技術開発は茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)が今年4月から5年事業で進めている。
 将来加速器の一つとして、本県南部の北上山地が有力候補地とされている素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」も関係するため、“ILC関連予算”と呼ばれることもある。同室は「ILCにとどまらず、さまざまな加速器に幅広く活用される技術を開発するもの」と説明。事業名にILCと明記されているわけではなく、文科省ホームページで公表している概算要求資料にも記載されていない。
 KEKでは運営交付金(年間約140億円)の一部をILC関連に投じている。新年度は3億5000万円(本年度比8000万円増)を充当したいとの申し出がKEKからあったという。
 運営交付金は例年、ほぼ同規模で推移。同推進室は「海外研究者との共同研究が始まっているようで、実験装置の稼働時間が増えることも見込んで、交付金全体に占めるILC関係の内訳を増やした形。交付金全体の金額が大幅に増えた――というものではない」と話している。