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ブラックホールの活動期捉える
ILC計画、岩手大が国際会議(海外から7人の研究者)
北上山地が有力候補地とされる素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)に関連した国際会議が25日、盛岡市内で始まった。大型加速器プロジェクトにおける環境負荷低減をテーマに岩手大学(小川智学長)が主催。国外からの研究者7人を含む39人が出席し、オンラインでも17人が参加している。27日まで。
ILC関連の国際会議が盛岡市で開かれるのは、2016(平成28)年12月に国際研究者組織が主催した「リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)2016」以来となる。
初日は盛岡市盛岡駅西通のアイーナで、開会セレモニーと5人の研究者の発表が行われた。小川学長は「ILCの日本誘致活動も含め、新型コロナウイルス禍でここ数年世界の動きが停滞していた。今回のワークショップが、参加者の皆さんにとって実りあるものとなり、日本でのILC実現の新たな契機となることを願っている」とあいさつした。
同大学は2013年に「ILC推進会議」を設置。地域自治体や推進団体と協力し、ILCの東北誘致を目指している。
今回の会議は、ILCをはじめとする大型加速器プロジェクトにおける環境負荷低減の取り組みについて、現状や今後の課題を明確にしようと企画された。大型加速器の建設、運用、実験終了後の対応では、環境への影響を最小化し、持続可能な社会を実現するための対策が求められている。
実行委員長を務めている同大学の成田晋也教授は、「研究していく中で、いかに将来に向け環境に優しいプロジェクトにしていくか。これをきっかけにしてお互い情報交換し、それぞれの研究成果を役立ててもらい、さらに進んだ研究をしていきたい」と期待を込めた。
(盛岡タイムス)