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「カリカリブラックホール」全国菓子博で最高賞

「カリカリブラックホール」全国菓子博で最高賞

「カリカリブラックホール」全国菓子博で最高賞
名誉総裁賞の受賞を国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長(右)に報告する高千代の高橋一隆代表取締役

 水沢吉小路の銘菓処高千代(高橋一隆代表取締役)は、第28回「全国菓子大博覧会」に、ブラックホールをイメージして2019(令和元)年に開発した菓子「カリカリブラックホール」を出品し、最高賞に当たる名誉総裁賞に輝いた。高橋代表取締役(51)は「本当に光栄なこと。菓子と天文学双方のPRにつなげ、地域貢献も果たしていきたい」と受賞を喜んでいる。
(松川歩基)

国立天文台水沢所属研究者の快挙を記念し開発

 同博覧会は、菓子業界の振興と地域の活性化を目指し、4年に1回開催。コロナ禍で一度中止しており、高千代は8年前の前回大会に出品した別の商品も農林水産大臣賞を受けている。
 今回は5月30日から6月15日にかけ、北海道旭川市で開催。全国から1000種を超える出品があり、高千代がエントリーした洋菓子部門は、10品が名誉総裁賞に選ばれた。
 「カリカリブラックホール」は、2019年4月に国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)所属の研究者らが、国際研究プロジェクトでブラックホールの直接撮影に史上初めて成功した快挙を記念して開発。煎餅に似たフランス菓子の「クロッカン」で、チョコレートをコーティングしたカリカリの食感と、パチパチと口の中で弾ける味わいが特長だ。
 博覧会場では、用意した230袋(1袋3枚入り)が完売。配送依頼が水沢の高千代に舞い込むほどの盛況ぶりだったという。
 7月30日、高橋代表取締役が同観測所に本間所長(53)を訪ねて受賞を報告。「開発のきっかけをくださった研究者の皆さんの協力があってのこと」と感謝し、「これを一つの契機に、菓子業界をさらに盛り上げていきたい」と意気込みを伝えた。
 本間所長は「(受賞は)非常に大きな成果であり、本当にうれしい。ブラックホールをうまく開発の力にし、独自の味わいを生み出したことが評価されたのだと思う。これからもお菓子の力で、ブラックホールのように周囲のたくさんの人を引き付けてもらいたい」と期待した。
 高千代は名誉総裁賞受賞を記念し、今月1日からキャンペーンを実施。「カリカリブラックホール」の対象商品3種(1個入り、3個入り、8個入り)を、30~300円ほど割引の特別価格で販売する。同8日まで。