TOPIC

戦時下の書類 見つかる(天文台水沢)

すごいぞ水沢の天文台(ライブハウスで“異色”講演会)

すごいぞ水沢の天文台(ライブハウスで“異色”講演会)
日中のライブハウスで開かれた天文学の講演会

 バンド演奏に酔いしれる人たちでにぎわうライブハウスを使い、天文学の魅力や歴史に触れてもらう“異色”の講演会が17日、水沢南町のライブハウス「backstate(バックステート)」で開かれた。大人から子どもまで20人余りが集まり、身近な場所にある水沢の天文台のすごさに理解を深めてもらった。
(児玉直人)

歴史的価値 丁寧に解説

 backstateは昨年6月にオープンし、全国ツアーを展開しているグループなどのライブ会場として活用されている。オーナーの千田泰伸さん(50)は、「東日本大震災支援などで交流があったバンドメンバーが、水沢へ遊びに来るきっかけとなる場を作りたかった」と語る。
 ライブハウスに対して世間が抱くマイナスイメージを払拭したいと、固定観念にとらわれない運営も実践。これまでに金融機関の資金運用相談会の会場に使用されたこともあった。
 今回のイベントは、千田さんがライブハウスの近くで営む飲食店の常連客で、国立天文台水沢VLBI観測所に勤務する蜂須賀一也さん(54)が主催。蜂須賀さんは友人、知人らのサポートを受けながら「奥州スターフェスティバル」と銘打ち企画した。日中開催にし、親子連れでも気軽に来場できるようにした。
 蜂須賀さんは、旧水沢緯度観測所時代から現存する建造物や歴史遺産としての価値を丁寧に解説。海外に現存する緯度観測所跡と共に、世界遺産に登録されてもいいほどのレベルだと強調し、「奥州市には誇れるものがたくさんある。その中に、緯度観測所時代の文化財もぜひ仲間に入れてほしい」と呼びかけた。
 千田さんの飲食店には、蜂須賀さんはじめ天文台関係者が足を運ぶこともあり、宇宙の謎や観測技術の話を間近に聞き、関心を引かれたという。「ハードルを低くしたような雰囲気の中で、大学や大学院で何年もかけて学ぶような知識を直接聞けるのは、天文台がある水沢だからこその特典ではないか」と話していた。