天文台水沢の本間所長に仁科記念賞(ノーベル賞への国内登竜門)
天文台水沢の本間所長に仁科記念賞(ノーベル賞への国内登竜門)
ブラックホール(BH)の撮影成功に大きく貢献した国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長(54)が、本年度第71回仁科記念賞を受賞した。5日までに仁科記念財団が発表。「国内の物理学分野における最高峰の栄誉」「ノーベル物理学賞受賞者の登竜門」とも呼ばれる権威ある賞で、本間所長は「身に余る光栄で大変うれしい」と話している。
日本現代物理学の父、仁科芳雄(にしな・よしお、1890-1951)の功績を記念し1955(昭和30)年に創設。基礎物理学や応用研究で功績があった研究者に贈られる。
本間所長は基礎物理学、宇宙物理学における大きな課題だった、光でも抜け出せないBHの境界部分の観測、検証を高解像度で実施。「人類が初めて目にするブラックホールの姿」として画像化した。研究を進めた国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」の日本研究者グループのリーダーとして、海外研究者と連携しBHの撮影成功に導いた功績などが高く評価された。
本間所長は「私一人の力で成し得たものではなく、一緒に研究を進めてきた研究者、スタッフのおかげ。受賞を励み、さらに研究を発展させていく」とコメントした。
本年度の仁科記念賞には「量子スピン系の数理的研究」で功績があった田﨑晴明・学習院大教授、押川正毅・東京大教授も受賞した。