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さらば「アテルイⅡ」(国立天文台水沢で稼働スパコン、先月末に運用終える)

天文台の特殊時計 大集合(奥州宇宙遊学館で特別企画展)

天文台の特殊時計 大集合(奥州宇宙遊学館で特別企画展)
内部を減圧して使用した「リーフラー振り子時計」

 天文学研究の現場で使用した時計を集めた特別企画展「時を知るための道具」は、6月1日から水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(亀谷收館長)で開かれる。同10日が「時の記念日」であるのに合わせ開催。天文学研究と時計は切っても切れない関係にあり、普段は国立天文台水沢VLBI観測所の倉庫に収蔵している旧水沢緯度観測所時代の特殊な時計など貴重な品々を公開する。同30日まで。
 天文観測を行う上では、正確な時刻を知ることが重要。水沢に「天文台」が誕生した当初から、常に時代の最先端技術を取り入れた非常に精密な時計が導入されていた。VLBI観測所内には、時刻の中央標準時を決定する重要な装置「原子時計」がある。
 企画展で紹介する時計は、日常生活で見かけるものとは見た目が大きく異なる特殊なものばかり。中でも目を引くのは、1926年にドイツのミュンヘンで作られた「リーフラー振り子時計」で、高さ1.6mの円筒形の大型時計。時計全体を気密性の高い筒とガラス容器の中に収め、内部を減圧して使用していたという。振り子が受ける空気との摩擦が緩和されるため、精度の高い時刻を得ることができた。
 期間中は関連行事として▽星空観望会「夜空の星で時を知る」…8日午後7時▽精密日時計お披露目会…16日午後2時半▽サイエンスカフェ「時計の歴史と腕時計の最新技術」…16日午後3時▽サンデースクール「今何時?―時刻を知ろう」…23日午後2時半――を予定している。
 特別企画展は、入館料(300円、児童・生徒150円)のみで観覧できる。問い合わせは同館(電話0197-24-2020、火曜休館)へ。