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さらば「アテルイⅡ」(国立天文台水沢で稼働スパコン、先月末に運用終える)

天文学とお菓子 堪能(3回目のフェス盛況)

天文学とお菓子 堪能(3回目のフェス盛況)
お気に入りのコーヒー豆が入った袋を手に語る岩田悠平特任助教。左は本間希樹所長

奥州ブラックホールお菓子フェスティバルが11日、奥州市水沢西町のみずさわ観光物産センター(Zプラザアテルイ)で開かれた。県菓子工業組合奥州支部(菊地清支部長)と水沢菓子組合(高橋一隆組合長)が、国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の協力を得て開催しているユニークなイベント。3回目となる今回も、天文学とお菓子のコラボレーションを楽しむ人たちでにぎわった。
巨大BHを撮影する国際プロジェクトに携わっている本間所長。「BHをイメージしたお菓子があれば地域振興にもつながるのでは」と、冗談で話したことが水沢地域の菓子店関係者に伝わり、2019年からBHを連想させるお菓子を商品化するプロジェクトが始まった。この取り組みが発展し、2022年に「菓子フェス」が始まった。
奥州市内外の菓子店や飲食店など、過去最多の19店舗がブースを設け、BHを連想させるお菓子などを販売。この日限定のBH菓子もお目見えするなど、大勢の人たちでにぎわった。
同センター2階では、本間所長と岩田悠平特任助教によるトークショーが行われた。岩田助教は昨年10月から水沢に滞在し、今春から正式に同観測所所属の研究者として従事。自他ともに認めるコーヒー愛好家で、研究室には複数種類のコーヒー豆を常に用意しているほか、コーヒーに注ぐミルクで絵を描く「ラテアート」も得意という。「研究者同士でお土産のお菓子を交換することもあり、それに合ったコーヒーを選ぶのが楽しい」と語った。
同観測所に限らず、理系の研究機関や学会の会合などでは「コーヒーブレーク」と称した休憩時間が必ずと言っていいほど設けられる。国際会議になると、いかに喜ばれるもてなしをするかに力を入れているという。「別にサボっているわけではなく、実は研究者にとって雑談の時間がとても大事。30分ほどの会話の中で、ものすごいアイデアやヒントに巡り合う可能性がある」と本間所長。
理系研究とコーヒー、お菓子との意外な関係について、聴講した人たちもうなずきながら聞き入っていた。

天文学とお菓子 堪能(3回目のフェス盛況)
ブラックホールをイメージしたお菓子などが販売された会場