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重さ与える粒子予言、ヒッグス氏亡くなる(ILC関連で講演も)

重さ与える粒子予言、ヒッグス氏亡くなる(ILC関連で講演も)
ピーター・ヒッグス氏 (C)CERN

 物質に質量(重さ)を与えている素粒子「ヒッグス粒子」の存在を予言した理論物理学者ピーター・ヒッグス氏が8日、英国の自宅で死去した。94歳。博士が名誉教授を務める英国エディンバラ大学は9日に発表した。ヒッグス氏は生前、北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)に関する講演に登場したこともあった。
 ヒッグス氏は英国出身。1964年、全ての物質に重さを与える素粒子の存在を理論的に予言。氏の名前から「ヒッグス粒子」と命名された。
 2012年、スイスとフランスの国境にある実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」でヒッグス粒子の検出に成功。理論の正当性が証明され、ヒッグス氏は翌年、ノーベル物理学賞を受賞した。2020年2月、日本のILC誘致団体などが主催するシンポジウムにビデオ出演。「ILCは日本がリードする立場となっている計画。地元経済にも効果をもたらすだろう」などと述べていた。
 素粒子物理学者の間ではヒッグス粒子の詳細研究を行うため、ヒッグス粒子を大量に発生させる実験施設「ヒッグスファクトリー」の建設を求めている。ILCのほか、LHCの近くへの建設が検討されている「FCC-ee」など複数の計画がある。