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天文台水沢保存の臨時緯度観測所本館 日本天文遺産に認定
奥州市議会会派が潮汐観測施設を視察(ILC関連で研修)
奥州市議会会派の奥州創政会(高橋勝司会長)の所属議員らは24日、江刺区伊手字阿原山の国立天文台水沢VLBI観測所・江刺地球潮汐(ちょうせき)観測施設を視察した。
宇宙誕生の解明を目的とした国際研究施設「国際直線衝突加速器(インターナショナル・リニア・コライダー=ILC)」の整備計画の中で、北上高地が有力候補地の一つとされている。
ILCと同観測施設の研究目的は異なるが、地殻変動を受けにくい地底環境に着目している点では共通。同会派は、既存の地底観測施設の概要を知ることで、ILC計画への理解を深めることにも関係するとの考えから今回視察した。
同観測施設では、月の引力の影響を受けて起きる地球の伸縮について調査。直接観察が不能な地球内部の状態の研究に役立てている。また、東北大学の地震研究にも観測データが活用されている。
この日は同観測施設を担当している、田村良昭助教が内部を案内。「私たちは感じることができない変化が毎日起きている。とても小さな素粒子を衝突させるILCも、こうした地球自体の変形による影響を考慮し、実験がなされるものと思われる」と、同観測施設とILCの関連性を解説した。
高橋会長は「ILCの構想は明るい地域話題。一度は実際にある地底の観測施設を見ておき、理解しておく必要があると思った。観測施設の存在は市民にもお知らせしたい」と話していた。