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天文台水沢保存の臨時緯度観測所本館 日本天文遺産に認定

ILC候補地に納得(岩手県内の理科教諭、阿原山の地盤 間近に)

ILC候補地に納得(岩手県内の理科教諭、阿原山の地盤 間近に)
地球潮汐観測施設の内部を見学する教諭ら

 岩手県内の理科教諭らがこのほど、江刺区伊手字阿原山の国立天文台水沢VLBI観測所・江刺地球潮汐観測施設などを見学。国際研究施設「国際直線衝突加速器(インターナショナル・リニア・コライダー=ILC)」の有力候補地とされる北上高地の安定した地盤に認識を深めた。
 潮汐施設を見学したのは、県科学教育研究連合会(小野国彦会長)などが主催する、2010(平成22)年度生物地学実地研究会・地学コースの参加教諭ら31人。研究会は、地域の自然を生きた学習教材にする目的で開催している。
 月の引力の影響を受けて起きる地球の伸縮を調査している潮汐観測施設は、地殻変動の影響を受けにくい場所で調査する必要がある。このため、地盤の安定した阿原山の地下に広がる花こう岩盤が選ばれた。精密な素粒子を研究対象とするILCも同様で、北上高地が国内有力候補地の一つに挙げられているのもこのためだ。
 一行は、水沢VLBI観測所の田村良昭助教の案内を受けながら内部を見学。坑道の一部には、花こう岩がむき出しになっている部分もあり、普段見ることがない「地中の自然」の様子をじっくりと観察、理解を深めた。