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小惑星探査とILC、科学研究の重要性語る

小惑星探査とILC、科学研究の重要性語る
小惑星探査機「はやぶさ」について解説するJAXAの川口淳一郎教授

 日本の小惑星探査機「はやぶさ」と、北上高地が有力候補とされる素粒子物理学研究施設「国際リニアコライダー(ILC)」に携わる専門家2人が27日、奥州市文化会館(Zホール)で講演。研究概要や日本が科学技術分野で果たす役割などについて語った。

「はやぶさ」プロジェクトリーダー・川口教授らが講演「投資なくして未来ない」

 「先端加速器科学シンポジウム」と銘打ち、東北加速器基礎科学研究会が主催。市内外から宇宙、物理などに関心がある市民や行政、経済界の関係者ら約900人が集まった。
 「はやぶさ」の話題を提供したのは、プロジェクトリーダーで宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川口淳一郎教授。ミッションの概要などを分かりやすく説明したほか、米国の素粒子物理研究施設・フェルミ国立加速器研究所で初代所長を務めたロバート・R・ウィルソンのエピソードを紹介した。
 同研究所建設に膨大な国家予算が使われることに、反対派議員は「この機械(加速器)には国家を守る価値がない」と批判。これに対しウィルソンは「直接的に国防とは何の関係もないが、わが国を“守るべき価値のある国”にする点では大いに関係がある」と反論し、予算が認められたという。
 川口教授は「将来投資なくして未来はない。科学研究は長い時間を必要とする。目先のことばかりではない政策が講じられるのを期待したい」と訴えた。
 シンポジウム後半は、東北大学大学院理学研究科の山本均教授が講演。ILC整備が求められる理由など、素粒子研究の観点から詳細に解説した。2020年にILCでの加速器実験を見込むが「その前段に国際合意や予算を多めに出すホスト国を決める必要が出てくる」などと説明した。
 ILCは素粒子物理学の大規模研究施設。電子と陽電子の衝突現象を調べることで、物質の成り立ちや宇宙の起源などの研究に役立てる。安定した地盤に地下トンネルを一直線に掘る必要があり、国内の候補地に北上高地と九州の脊振山地が挙げられている。