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今年もILCや文化芸術・スポーツなど低調(県民意識調査)
県がまとめた最新の「県施策に対する県民意識調査」によると、新型コロナウイルス感染症の直接的な健康影響に加え、余暇の充実や所得面など間接的な部分への影響も強く感じている人が多いことが分かった。「いわて県民計画」に基づく施策については、雇用や産業、いじめ問題に関するニーズ(必要性)が高く、文化芸術やスポーツ、素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」誘致に関連した取り組みは低調。昨年と同様の傾向となった。
(児玉直人)
雇用や産業の充実、いじめ問題対策などに高いニーズ
調査は今年1月から2月にかけ、県内に住む18歳以上の男女5000人を選挙人名簿の中から無作為に抽出し実施。有効回収率は66.5%(3324人)だった。
新型コロナに関する質問は、前回調査から取り入れた。「よくない」と感じる影響で最も多かったのが「こころの健康」で43.2%。余暇の充実(43.0%)、必要な収入や所得(37.1%)など間接的な影響を感じた人の割合も高かった。
現在の生活全般に対しては、満足(やや満足含む)が36.7%(前年比2.1ポイント増)、不満(やや不満含む)は33.0%(同5.2ポイント増)だった。満足と不満の差は3.7ポイントで、前年の6.8ポイント差より縮まっている。胆江2市町を含む県南広域振興局管内8市町では、満足が35.8%(同4.8ポイント増)、不満が34.8%(同3.2ポイント増)だった。
「いわて県民計画」に掲げられた57施策に関する質問では、施策ごとに重要度と満足度を尋ね数値化。重要度と満足度の差が大きい場合は「ニーズが高い」、小さい場合は「ニーズが低い」と判断した。
ニーズが高かった上位5施策は
1:安定した就職環境 2:農林水産業の担い手確保
3:商店街のにぎわい
4:いじめや不登校への適切な対処
5:生活基盤整備などが進んだ生活環境
上位に入った施策は、重要度が高いと認識されているが、現状に不満や満足度を感じられない人が多く、改善が強く求められている事柄と推察できる。
ニーズが低かったのは
1:県ゆかりの芸術家やスポーツ選手の活躍
2:日常的に文化芸術に親しむ機会
3:身近な地域でスポーツを楽しむ機会
4:心身の健康に関する相談・指導
5:外国人研究者等の受け入れ環境整備や新たな産業振興
いずれも満足度と重要度の差が小さい施策だが、「県ゆかりの芸術家やスポーツ選手の活躍」に関しては、本県出身アスリートの活躍で、満足度が全57施策の中で飛び抜けて高く、重要度との差も小さかった。一方で、文化芸術やスポーツを楽しむ機会、ILC誘致を見込んだ外国人研究者受け入れに関しては、重要度が他施策より大幅に低く、満足度も平均以下という結果となった。