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天文台水沢保存の臨時緯度観測所本館 日本天文遺産に認定

本を開けば神秘の「宇宙」(胆沢図書館)

本を開けば神秘の「宇宙」(胆沢図書館)
胆沢図書館で開催している企画展「行ってみたい!憧れの宇宙!」

 宇宙に関する書籍を集めた企画展「行ってみたい!憧れの宇宙!」が、市立胆沢図書館(千田布美夫館長)で開かれている。ブラックホール(BH)の撮影成功などで耳目を集める神秘的な世界に親しんでもらおうと約250冊を紹介し、来館者の興味を引いている。9月25日まで(月曜、祝日休館)。
 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)を含む国際チームによる巨大BH「いて座A*(エー・スター)」の撮影成功をはじめ、宇宙誕生の謎を解くための素粒子実験施設として、北上山地が有力候補地とされている国際リニアコライダー(ILC)、そして『銀河鉄道の夜』といった宮沢賢治の童話作品など、宇宙に関する話題や文学作品は身の回りにあふれている。
 企画展ではBHや天文台、ILC、賢治作品をはじめ、宇宙に関わる書籍を多数そろえた。ほかにも、星や望遠鏡、宇宙飛行士、宇宙人に関するものなど多様。絵本を含む児童対象の本、大人向けの解説書、小説や漫画なども並べ、来館者の好奇心を刺激する。
 同館は7月下旬、BH撮影の国際プロジェクトチーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」メンバーの田崎文得さんを招いたイベントを開催。市内小学生が銀河の話に耳を傾け、田崎さん考案の「銀河ゴマ」作りを楽しんだ。
 このイベント開催に関連し、企画展では本間所長と田崎さんに「おすすめ図書」もそれぞれ紹介してもらっている。このうち小学生への推薦は、本間所長が『学研のひみつシリーズ』、田崎さんが『キツネ山の夏休み』(富安陽子著)。
 パネル展示では、BH撮影成功の新聞記事、「宇宙開発史」の年表なども目を引く。三田量子読書指導員は「宇宙関連の本を読んで理解を深めるとともに、宇宙が意外に身近な存在なんだと思っていただけたら」と話していた。