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ブラックホールの活動期捉える

ILC計画実現へ首長ら結束(北上山地周辺地域期成同盟会を設立)

ILC計画実現へ首長ら結束(北上山地周辺地域期成同盟会を設立)
岩手、宮城両県の関係自治体首長や議会関係者らが出席したILC期成同盟会の設立総会

 素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)の北上山地誘致実現を訴える「ILC実現建設地域期成同盟会」の設立総会が8日、一関市の一関文化センターで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で国際的な交渉や機運醸成の場を設けにくく、進捗の実感が乏しい状況にある現状を打破しようと、参加自治体の首長らが誘致実現に向けた意気込みを力強く語った。
(児玉直人)

 同盟会設立発起人を代表し、一関市の佐藤善仁市長は「ILC候補地の地元として、継続的かつ組織的に活動すべきだとの話をいただき期成同盟会設立の運びとなった。東北におけるILC誘致を一日も早く実現したいと考えている。多くのご支持をたまわりたい」とあいさつした。
 議事では、規約など設立に関する3議案を原案通り可決。代表に佐藤善仁・一関市長、倉成淳・奥州市長、菅原茂・気仙沼市長の3人を選出した。
 来賓祝辞などに続き、高エネルギー加速器研究機構の山内正則機構長が講演。技術的課題に取り組む新組織「ILCテクノロジーネットワーク」と、政府関係者間が議論できる土壌づくりを目指している「国際有識者会議」が活動している状況など、直近の動向を紹介。米国も欧州もそれぞれ、素粒子研究施設の建設や検討を抱えているとし、「その中でもILCは最も実現性が高い。適切なタイミングに向けて、今やるべきことを着実に積み重ねることが実現につながる最善の道だ」と強調した。
 同盟会発起人による決意表明で奥州市の倉成市長は「とても重要なプロジェクト。地域再生、持続可能なまちづくりを進める上でも重要」、金ケ崎町の高橋寛寿町長は「周辺地域の経済文化に大きく貢献する。建設実現に向け町議会と共に頑張る」と訴えた。