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Z項発見の功績 再注目(あす木村栄博士没後80年)
水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(亀谷收館長)で、企画展「木村榮初代所長没後80年を迎えて~Z項発見以降の進展~」が開かれている。今月26日は、旧緯度観測所初代所長だった木村栄博士(1870~1943)の命日。会場ではZ項発見に至った経緯、その後の研究内容などを紹介している。10月30日まで(火曜休館)。期間中は特別講演会も予定している。
(岸川駿也)
宇宙遊学館が企画展
地球の緯度変化を示す数式に用いられるZ項。その発見者である木村博士が取り組んだ研究内容、歴史的背景、Z項を用いた後の研究について紹介している。望遠鏡や計算尺も展示。研究成果のほか、木村博士と地域住民との交流の様子をとらえた写真も展示している。
南極での重力や地質の観測にもZ項が用いられており、南極で採集された石など貴重な資料も。「地球こま」を使い、地球の回転運動とZ項の関係を来場者自ら実験できるコーナーも用意した。
23日に来場した東北大学3年の岩倉颯良さん(22)は、物理学を専攻。「昔から天体に興味があり、地球の歴史についていろいろ学べた。地域の人たちの研究への協力に、強いつながりを感じた」と話していた。
同館指定管理者・NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長(82)=国立天文台名誉教授=は、「地球の観測は今も続いている。地球温暖化などの問題もあるが、もっと地球に目を向け、大事にしてほしい。この展示がそのきっかけになってくれれば」と話した。