火星圏への旅 準備進む(MMX計画、水沢の研究者たちも参加)
緯度観測所光学観測の名残り撤去(水沢の東北道・板谷橋)
緯度観測所(現・国立天文台水沢VLBI観測所)の天体観測への影響を避けるため、水沢西田地内の市道板谷線に設けられていた門型の遮光板が今月、奥州市によって撤去された。1970年代、東北自動車道をオーバークロスする「板谷橋」が完成後、橋を通過する車のヘッドライトの光が観測所敷地を照射し、観測に支障を与えることから設置されたもの。観測所では30年以上前から電波観測へ移行しており、遮光板の効果は不要となっていた。
(児玉直人)
遮光板、48年前に設置
1977(昭和52)年の本紙報道によると、東北道建設に伴い東北道をまたぐ板谷橋が整備された。しかし胆沢方面から橋を越えてきた車のヘッドライトが、橋の約1km東方にある緯度観測所敷地を照射。望遠鏡で夜空の星を観測するのに支障をきたすという問題が生じた。観測所は実証実験で影響度を調査した上で、旧水沢市に対策を要請。市は東北道を建設していた旧日本道路公団に措置を求めた。公団は水沢側の坂部分に12m間隔で門型の遮光板5基を設置。管理は市が担っていた。
ところが、設置から10年ほどで光学観測は電波観測へ移行し始める。天体が発する電波をパラボラアンテナで受信するため、可視光線の影響をほとんど受けない。
“お役御免”となった遮光板だったが、令和の時代になっても存在し続けた。一番手前の遮光板には「ゆっくり走ろう水沢市」と交通標語も記されていたが、経年劣化で見えにくくなっていた。
奥州市都市整備部維持管理課によると、5年に一度、市道関連施設の安全点検調査を実施している。来年度がちょうどその時期に当たるが、設置し続ける理由がなくなった遮光板に、公費を投じた安全点検する必要性はなくなったと判断。撤去に踏み切った。
撤去作業は今月18日に行われた。安全確保のため、市道を一時通行止めにして実施。遮光板の支柱のうち1本は、街路灯が取り付けられているためそのまま残っている。