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新スパコン「アテルイ3」始動(国立天文台水沢)
天文台など地域素材、「郷土愛」醸成に期待(奥州市議会で高橋教育長)
国立天文台水沢VLBI観測所を生かした学校教育の取り組みについて、奥州市の高橋勝教育長は17日、市議会で「製作中のふるさと学習テキストでは、奥州宇宙遊学館からもアドバイスをもらっている」と述べ、郷土愛の醸成に期待を込めた。
天文台と市との連携に関する高橋浩氏(奥和会)の一般質問に答えた。高橋氏は、緯度観測所時代から現在に至るまでの天文台の功績を紹介しながら、「近隣市町村に比べ奥州は“宇宙に近い場所”」とその特色を強調。一方で「江刺など水沢地域外の人たちは、天文台の存在は知っていても、深く触れることは少なかった」と指摘し、特に学校教育での連携や活用について所見を求めた。
高橋教育長は「天文台に限らず、郷土の歴史や文化などに関する素材と学習については、子どもたちの居住地域の中にとどまる傾向があった。市町村合併当初に比べれば全市的な視点での学習展開は進んでいると思うが、まだまだ不十分な部分もある」と認識。「全市的な部分に目を向けて郷土学習をしてもらえたら」と願った。
このほか高橋氏は、同観測所が管理する江刺伊手字阿原山の「江刺地球潮汐観測施設」に通じる林道の管理状況について質問。小山和彦・農地林務課長は「奥州地方森林組合に管理委託している。春秋の巡視のほか、災害時にはパトロールをしている。過去に天文台から『現地に行けない』という連絡を受けたこともあり、不具合が生じないよう対応している」と述べた。