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天文学者や現役大学生、科学の魅力伝える(国立天文台水沢で銀河フェス)

学校近くでBH研究(水沢南小に本間所長訪れ授業)

学校近くでBH研究(水沢南小に本間所長訪れ授業)
BHの謎や宇宙のスケールなどについて説明する本間希樹所長

 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)と、奥州市が連携して実施する本年度の「キラリ☆奥州市天文教室」が9日、水沢南小学校(菅原るみ子校長、児童627人)で開かれた5年生の児童104人が本間所長の講演に耳を傾け、海外の研究者が協力し合い天体観測をしている場所が、学校のすぐ近くにあることをあらためて認識。謎だらけの天体「ブラックホール(BH)」にも興味を寄せていた。
 本間所長は同天文台が開発したソフトを使い、地球と太陽系の規模、太陽系が天の川銀河のどこに位置するかを解説。「1秒間に地球を7周半する光の速さで考えてみると、月までは1.3秒だが、天の川銀河の中心部までは2万5000年かかる。この中心部に巨大なBHがある」と、宇宙のスケールがいかに大きいか伝えた。
 観測所の名称にあるVLBIは、複数の電波望遠鏡を連動させて高精度な天体観測を行う仕組みを指すことも説明。「水沢にある電波望遠鏡と同じものが、小笠原諸島や石垣島、鹿児島県にもある。さらに韓国や中国の電波望遠鏡を加えると、視力をさらに上げることができる。私たちは水沢に居ながら、世界中の人たちと研究していることになる。水沢の天文台の電波望遠鏡が動いている時は、海外の電波望遠鏡も一緒に動いているんだなと想像してほしい」と呼びかけた。
 児童からは「土星の輪は何でできているのか」「BH以外の研究もしているのか」「宇宙にBHは何個あるのか」という質問も。黒澤心さん(10)は「BHに入り込んでしまったとき、人間の体はどうなってしまうのだろうと思った。BHの話を聞いて、たくさんの興味が湧いてきた」。千田健太君(10)も「BHのことを詳しく知ることができうれしかった」と話していた。
 同天文教室は12月までの間に、江刺第一、前沢、東水沢の3中学校でも行われる。